院長のひとりごと

カンゲキ

昔、西城秀樹のカレールーのコーマーシャルに『秀樹カンゲキ』というのがありましたが今回は違う感激のお話です

久しぶりに歌舞伎座に行って参りました。ご縁があり国立劇場の尾上菊五郎一座の新春歌舞伎には毎年お伺いしておりますが、今回はお孫さんに当たる「眞秀」さんの初舞台であります。寺島しのぶさんとフランス人のアートディレクターのご主人ローラン・グシアナさんとの間に生まれたご長男が眞秀さんです。5月の初めに駐日フランス大使公邸で襲名披露が行われ、「尾上菊云々」ではなく「尾上眞秀」の名前で歌舞伎役者とデビューすることになったそうです。その後の初舞台が歌舞伎座で行われるといいうことで、こちらも観劇と相成りました。演目は菊五郎さんが脚本・演出された「音菊眞秀若武者(おとにきく まことのわかむしゃ) 岩見重太郎狒々退治」でありました。眞秀さんが岩見重太郎役となり弱きを助け強気を挫くというストーリー展開で市川團十郎・尾上菊之助、もちろんお祖父様の尾上菊五郎御大も登場しそれは華やかな舞台でありました。10歳の眞秀さんの演技も素晴らしく、さすが名門の血筋を引かれた役者で将来が楽しみだと思いました。感激でした・・Félicitation!! Trés bien!! Je suis impressionné!

さて、観劇のもう一つはオペラであります。

この3年ほどのコロナ禍のこともありオペラもとても久しぶりです。東京文化会館でのパレルモ・マッシモ劇場「椿姫」であります。ヴェルディのオペラ「椿姫」の話は皆様よくご存知かと思いますが、舞台はパリ、高級娼婦であるヴィオレッタと青年貴族アルフレードの悲恋のお話であります。邦題は『椿姫』でありますが原題はLa Traviata (道を踏み外した女)です。

月の25日は白い椿を身につけ、残り5日の生理の日には赤い椿を身につけていたことから「椿姫」と呼ばれていた娼婦ヴィオレッタが主人公のお話で、原作はアレクサンドル デュマ の小説が元で映画化されたり戯曲化されたりしており日本でも三輪明宏や坂東玉三郎が役を演じたりしたそうです。

さて、久しぶりの上野の森、開演時間は15:00からということで休日の昼間の上野に参りました。公園口に降りると、以前とは景色が異なっており広場の様なものができ人が歩き易い様に変わっておりました。子供づれが沢山いてそれは賑やかな休日の公園入り口でありました。今回は3組の夫婦での鑑賞となり開演前のロビーで待ち合わせ、それ以外にもポツリポツリと知人の顔が認められ、久しぶりのオペラ鑑賞は皆楽しみにしている様でした。ヴィオレッタ役のエルモネラ・ヤオはとても素晴らしいソプラノでありましたが、クラッシックフリークの友人によると、前回の2010年の英国ロイヤル・オペラハウスの日本公演での「椿姫」では第一幕で声が出ず、途中降板というアクシデントがあったそうで、今回も前半の声量は今ひとつで少し不安になりましたが、後半は実に素晴らしくヴィオレッタを歌い上げておりました。最後はスタンディングオベイションで、拍手が長く続き、素晴らしい歌は心に響き、充実した休日のひと時を過ごすことができ、またまたカンゲキ、Bravo‼︎でした。

観劇のお話でした・・