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院長のひとりごと
夏の終わりの葉山
院長のひとりごと

夏の終わりの葉山

先日またまた神奈川県立近代美術館葉山館を尋ねた。月に何度かの平日休みを利用して時々散歩をする。夏もそろそろ終わろうとしている時期、友人が関係している彫刻が葉山の海と美術館の建物とに一対で飾られるという作品を見に行った。 車で行けば海岸線のドライブでそれなりに楽しいかもしれないが、それでは一寸と一杯の楽しみが減ってしまう。我が家からは東横線で横浜からJR横須賀線に乗り換え1時間ほどで逗子に到着する。8月盛夏の頃であれば大勢の若者が降り立つであろう駅前もさほどの混雑はなく、海岸線を行くバスに乗るためバス停に並ぶ。1時間に4本ほどの間隔で出ているバスに乗り5〜6分ほどで鐙摺(あぶずり)のバス停に着く。古くからある「日影茶屋」という旅館が経営する「ラ・マーレ・ド・チャヤ」というフレンチレストランで軽くランチを頂くことにした。ワンプレートでお茶とデザートがついて1300円ほど、海を眺めながらの晴れの日ランチはなかなかのものであった。小さな港は晴れて浪は凪いでおりヨットが静かに港に入ってくるのを眺めながらワインを飲んでのんびりと・・贅沢な休日の気分をたっぷり楽しんだ。20代の頃は湘南・葉山・逗子辺りはデートコースで車で良く出かけたものである。その頃とは随分と様変わりをしているが、どこと無く懐かしい気がするのは不思議である。

デートコースでしたね・・

シーズンはとても混みそうですね さて、再びバスに乗り鎌倉近代美術館葉山館に到着・・。以前、友人が関係した「モホイ・ナジ展」で来て以来となる。とてもシチュエーションの良い美術館で、海岸沿いにある近代的な建物は周りの景色と溶け込んであまり違和感を感じさせない。 訪れたときに開催されていたのはアフリカのビーズ作品の展覧会でなかなかおもしろいものであった。 さて、美術館の庭に出て、海岸のほうへ降りていくとその人物像があった。作家であるアントニー・ゴームリー氏の体型を模して作成されたそうで、その錆び付いた彫像の一つは海を見ており、もうひとつは美術館の建物の屋上にこちらは山のほうへ向いて立っている。Two Timesという表題である。

建物の上にも 見えますか?

期間限定の設置であるそうだが裏場話を聞くと最初一体は砂浜に設置という事であったそうだが環境破壊につながるというような意見もあり最終的には美術館の庭の端に設置となったようだ。芸術作品で一時的な設置であってもなかなか難しい問題も含んでいるようだ。アートワークとしてはなかなかおもしろいものであった。 まだ夏の終わりの日の高いうちにバスに乗り再び逗子駅に向かった。 夏の終わりのほっとする休日であった。