院長のひとりごと

懐かしい味

久し振りに懐かしい味を確認したく荻窪にあるイタリアンに行きました。 [Trattoria PIEMONTE] であります。30年以上前になりましょうか・・元は西武池袋線豊島園駅近くにあったカウンターだけのお店でありました。(3月号のサライ「東京散歩」によると昭和51年と書いてありました)ご夫婦で切り盛りされており当時としては非常に珍しく、前菜がカウンターに並べられ、前菜の盛り合わせがとてもシンプルな材料でありながら斬新で、どれも初めて口にするような味でした。

その頃は前菜の盛り合わせとパスタなどでお腹を満たすぐらいでありましたが、次第にいろいろなお料理が頂けるようになるとますますはまり込んで結構お店に足を運ぶようになりました。革島宏男シェフは当時から高名なシェフであったことは後から知りましたが(船に乗って世界中あちらこちらへ行かれた事、麻布台にあった「レジャンス」という名店のシェフをされておられたとか・・、そうそうNHKの「今日の料理」にも出演された事がありました)、我々若造が行ってもとても良くして頂き、いろいろな質問にもきちんと答えて頂けました。マダムとお二人のやりとりも素敵なお店でありました。その後、荻窪の「川南」近くに移られてからも時々お邪魔しておりました。最近はというと、私の住まいも少し離れた所になってしまったこともありなかなかお邪魔する機会が無くなっておりました。一昨年奥様が亡くなられてから一時お店は休業されていたようですが、最近またご子息が後を継いで店を切り盛りされ再開されたことを知り尋ねた次第です。お店は変わらずでしたが出迎えてくれたのはご子息の宏一シェフでした。

昔と変わらない前菜 革島シェフは流石に高齢になられ時々しかお店には出られないということでしたが、懐かしい前菜を頂いているところにご挨拶に顔を出して頂けたのには感激、恐縮致しました。お料理はご子息の味に変わっておりましたがピエモンテの味には変わりありませんでした。年齢を重ねるということをまたちょっと実感した週末の夜でした・・。